夫への愛情が一気に冷めた!?産後クライシスの原因と乗り切るための対処法

赤ちゃんの誕生で“夫婦”から“家族”として新たな一歩を踏み出し、幸せいっぱいのはずなのに、なんだか夫にモヤモヤ…。出産を機に、今まで気にならなかったことが目についたり、触れられることに嫌悪感を抱いたりと、夫への感情が急激に変化して戸惑うママが少なくありません。
これは「産後クライシス」といって妻側の夫への愛情が急速に冷める現象で、どの夫婦にも訪れる可能性があるもの。
とはいえ、なかには離婚にまで至るケースもある深刻な問題です。新しい家族の誕生が家族の絆を深めるきっかけとなるように、産後クライシスを招きやすい原因と、もしなったときの対処法について知っておきましょう。
目次
産後クライシスとは?
“危機”や“崩壊”といった意味を持つ「クライシス」。「産後クライシス」とはその言葉通り、出産から2~3年以内に夫婦の愛情が急速に冷え込み、パートナーとの関係が悪化する状況を指します。
厚生労働省が平成23年度に全国の母子家庭を対象におこなった「ひとり親世帯になったときの親及び末子の年齢」調査でも、子どもが0~2歳の間に母子家庭となった世帯が全体の約35%。3組に1組ほどの夫婦が、赤ちゃんの誕生からわずか2年足らずで別々の道を歩んでいるという結果が浮き彫りとなっています。
産後クライシスを招きやすい原因と、それぞれの対処法
こんな子育てを一緒にしていきたい、こんな家族になりたい…夢と希望にあふれ、手を取り合って家族の形を築き上げていくはずの時期に、なぜ夫婦関係が破たんしてしまうのか? 産後クライシスに陥る理由は、ひとつではありません。
多いとされている理由と、それぞれの対処法についてみていきましょう。
ホルモンバランスの変化
妊娠、出産を経て、女性の体内では急激なホルモンバランスの変化が生じます。それにより、産後に情緒が不安定になるマタニティーブルーや産後うつを引き起こしたり、肌の触れあいを生理的に受け付けなくなったりすることがあります。
理性でコントロールすることが難しいため、感情のまま夫に接してしまい、夫婦関係の悪化を招いてしまいます。
- <対処法>
- 気分がすぐれないのは「生理的なこと」「一時的な感情」など、ホルモンバランスのせいであることを理解して、気に留めすぎないようにしましょう。
ついネガティブな考えをしてしまったり悲しい気持ちになったりしたときのために、気分転換やリラックスができる方法をいくつか用意しておくと気分を紛らわしやすくなります。ホルモンバランスの変化についてあらかじめ夫に伝え、理解してもらえる環境を作っておくのもおすすめです。
ライフスタイルの変化
産後は赤ちゃん中心の生活となるため、ライフスタイルが一転します。自分の時間はおろか、家事すらも手がまわらないほど赤ちゃんにつきっきりとなることも少なくありません。
とくにはじめのうちは、不慣れな育児に不安もいっぱい。出産による体のダメージも完全に回復しないうちから目まぐるしい日々がはじまり、慢性的な睡眠不足と家事や育児の疲れがストレスとなって、夫婦関係にまで気持ちがまわらなくなってしまいます。
- <対処法>
-
どんなに生活が変化しても、1日が24時間であることに変わりはありません。限られた時間の中でアレもコレも完ぺきにこなすのは、どんなに要領のいい人でもムリなんです。
生活が困らない範囲で適度に手を抜くことも大切。実家の両親に頼ったり、お総菜やクリーニングを利用したり、できるだけ負担を減らせる工夫を取り入れましょう。赤ちゃんだって、笑顔のママが大好き。「頑張りすぎない」ことが、気持ちにゆとりを生む秘訣です。
夫が協力してくれない
赤ちゃんが産まれて生活が激変するママに対し、仕事がメインのパパの生活はさほど変化がありません。毎日仕事で遅い、付き合いで飲みに行く、翌日の仕事に備えて早く寝てしまうなど、赤ちゃんと関わる時間の少ないパパに不満を抱くママも少なくありません。
さらに、家事に協力してくれない、疲れているのに甘えてくるなど、夫婦二人のときと変わらぬ態度にイライラを感じることも。
「私は毎日こんなに大変な思いをしているのに!」「自分のことくらい自分でして!」など、父親の自覚を感じられない言動に不満が募り、一気に愛情が冷めてしまいます。
- <対処法>
-
10か月おなかの中で赤ちゃんを育んできた女性は、産後すぐから母親としての自覚をもって日々の子育てに励むのに対し、男性が父親として目覚めるのは赤ちゃんが笑うなどの反応を見せてくれるようになってからが多いといいます。
また、大変なのはわかっていても、何をどう手出ししていいのかわからないというパパも多い様子。イライラが募る前に、家事や育児で手伝ってほしいことを言葉で伝える、日々、赤ちゃんの様子や一日どのように過ごしたかを伝えて不在時の様子を知ってもらうなど、コミュニケ―ションを大切にしましょう。
「平日はコレ、休みの日はコレとコレ」など、家事、育児ともにパパの役割を明確にしておくのもおすすめ。自発的な手助けをうながし、やってくれたときは「ありがとう」の言葉を忘れないことも、パパのモチベーションを上げる秘策です。
外出できず感じる孤立感
生まれて間もない赤ちゃんがいる生活は、家にこもりっきりになりがち。ショッピングに出歩いたり、友だちと食事をしたりなど、以前は気軽にできていた外出ができなくなることで、身なりに気を遣うこともおろそかになり、日中は誰とも口をきかない日が続くなどして、知らずのうちにストレスを溜め込みやすくなります。
「私が頑張らなきゃ」と育児を一身に背負いこんでしまうことも、協力の足りない夫への不満につながって産後クライシスに至りやすくなります。
- <対処法>
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月に一度くらいは実家やパパに赤ちゃんをお願いして、気分転換できる日を作ってもらいましょう。外出が難しければ、友人とたっぷり電話で話す時間をもらうだけでもかなり気持ちが楽になるはず。先輩ママや同じくらいの赤ちゃんがいる友人と話すと、日ごろの不安や悩みを共感してもらえます。
また、赤ちゃんがもう少し大きくなれば、短時間でも外出できたり、ママ友ができたりと、生活に変化が生まれます。「数か月のこと」と自身に言い聞かせ、家でゆっくり向き合える時間を楽しむ気持ちを持つことも大切です。
最後に
ホルモンバランスの乱れ、パパより先に芽生えるママの自覚、思ったように手伝ってくれない夫の言動など、ちょっとした事の積み重ねが夫への気持ちに変化を生み、すれ違いを生じさせてしまう産後クライシス。
赤ちゃんの成長とともに家族としての夫婦愛を育んでいくためにも、ひとりで頑張りすぎず、日ごろから夫とコミュニケ―ションをしっかり図るようにしましょう。
産後クライシスいちばんの特効薬は、夫婦が互いを思いやること、ありのままで受け入れ合うことかもしれません。
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